イェシェーさんの入滅

先日イェシェー・ウーセルさんが他界されました。彼はティテン・ノルブッツェ僧院に一番長く滞在されたボン教僧で、誰からも愛される人柄でした。

 

 

 

まさか彼との永遠の別れがこんなに早く来るとは思ってもみませんでした。昨年末にティテン・ノルブッツェ僧院長と来日の打ち合わせをする中で、イェシェーさんがインドの病院に入院されていることを知りました。僧院長の話だと肝臓ガンだが、心配はないとのことでほっとしていた矢先でした。

 

 

 

彼は東チベットのカム地方出身。ヒマラヤを越えてネパールに亡命した後、ネパールのボン教僧院にやってきました。僧院の建設が始まった頃からの最古参でした。僧院では朝と晩に護法神にお祈りを捧げますが、その任務は一日たりとも欠かすことがありませんでした。

 

 

 

イェシェー・ウーセル師
イェシェー・ウーセル師

 

 

 

 

ボン教のお経をまったく持っていなかった私はいつも、彼のところに経典を借りに行きました。誰よりも頼みやすい人柄だったからです。借りたお経は町に持っていき、コピーショップでコピーした後返却しました。

 

 

 

彼は大のコーヒー好き。彼の部屋を訪ねる度に、お湯を沸かし、アツアツのネスカフェを入れてくれました。コーヒーとビスケットを頂きながら、お互いの近況を報告し合ったのでした。

 

 

 

FBによるとティテン・ノルブッツェ僧院付属チベット病院に入院した後、カトマンズの病院へ移されたそうです。そこで死を迎え、死後数日間身体が温かいままのトゥクタムの境地に留まったそうです。彼が優れた瞑想行者だったことの印です。

 

 

 

62歳と言う若さでの他界。彼にもう二度と会えないなんて、今でも信じられません。カトマンズへ行く喜びがひとつ減ってしまいました。先日シャンシュン・ニェンギュから一章読み、彼への回向としました。ご冥福をお祈りします。